『本は10冊同時に読め!』

『本は10冊同時に読め!』成毛眞

内容は要するに、「ひたすら読め。乱読でも、積ん読でも、読み切らなくてもよい。あらゆるジャンルの本をランダムに、そして平行して読め。読書にまつわる全てが自分の財産になる。」といったところ。

こういう断定的で、真っ直ぐな意見は好きなほうだ。

ただ、読んでいて感じたこと。
それは、なんだか深夜のテレビ通販みたいだなぁということ。
○○で困っているあなたには、はい、「超並列」読書術!
○○が最近うまく行かない?そんなときは、はい、「超並列」読書術!
悩んでいないで、さぁ今すぐに、はい、「超並列」読書術!

と、こんな具合に終始一貫して一冊が終わる。
なんだか論理の善し悪しというより、展開の仕方が短絡的だな、というのががっかりポイント。
本、たくさん読んで論理磨いたはずの人が書いていると思うと、説得力に欠けるよね。

それから、もう一つ。
それは、意見の仕方が、極端に振れているなぁということ。
もちろん、「超並列」読書術を全面に押して本を書いているわけだから、絶対的で揺るぎない書き方が求められているのだろうけど、
実際のところ、テレビを捨てて、満員電車には乗らずに通勤はタクシーの中で読書、なんていう生活は極端すぎて一般人向けではない。
極端なことをすると、極端な考え方しかできなくなるし、何事もバランスよく、世の中の平均値を探ることって、けっこう重要なんじゃないかなぁ、、と個人的には思う。
読んでいて、「なんだか利己的で、自己完結していて、のりしろの狭そうな著者だなぁ」という印象を抱いてしまった。

まぁでも結局のところ、「超並列」読書術は続けます。
効果は必ずあると思うので。

人に行動を起こさせる(継続させる)ことができる本はよい本。